事実を伝えた後に、意見する(企画書、報告書の書き方のコツ)

事実を伝えた後に、意見する(企画書、報告書の書き方のコツ)

企画書、報告書に自分の意見を盛り込むときは、事実をすべて伝えた後に述べます。たとえば、公立中学の「学校選択制」について反対意見を述べる文章を書いてみます。

まずを事実を書きます。

「学校選択制」について 事実を記述
学校選択制が導入されて、十数年経ちます。東京では多くの市区で導入されていますが、人気のある学校とない学校の二極化が進んでいます。たとえば、2010年、杉並区で新入生の入学率が最も高い学校は、210%、最も低い学校は、25%でした。
 
このような現状のなか、制度を廃止する市区も出てきました。理由は、特定の学校に生徒が集中するようになったためです。遠距離通学者が増え、地域と学校のつながりも希薄になりつつあります。

事実を述べたら、反対意見です。事実のどの部分に目をつけて反論するか考えます。「地域と学校のつながりが希薄になった」もいいでしょう。今回はもう少し深く考えて、そもそも学校選択制がどんな経緯で導入されたかという視点を探ってみましょう。

学校選択制は当時流行していた規制緩和のひとつです。教育現場にも市場原理を持ち込むために、考えられました。生徒が学校を選べれば、学校側は、生徒を集めるため、いい学校になる努力をする。そうすれば、学校全体の質が良くなるだろうという考え方です。

導入時は、それなりの説得力のある考え方でした。しかし実際は、選ばれない学校は淘汰され、一部の人気校だけが大きくなり、いつの間にか通える学校がそこしかなくなってしまい、選択肢そのものがなくなってしまう恐れが出てきました。競争による質の向上は望めなくなってしまったのです。

だから問題は、学校に市場原理を導入したこと自体に問題があったという結論がでてきます。

まとめると、反対意見を盛り込んだ企画書、報告書を書くときは次のようなステップで書くのがベストといえます。

1.事実を告げる
2.事実の中の間違っている部分の指摘
3.間違っている部分に自分の意見を述べる

これで事実を通して、説得力ある意見を伝えることができます。


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