文章を書き出す前に、話の流れを考える

文章を書き出す前に、話の流れを考える

結論に向かって、話の道筋が破綻しないように文章を組み立てれば、自然と文章は出来上がっていきます。しかし読み手を満足させたいなら、破綻しないだけの文章では物足りません。

例えば、「まんが喫茶」を切り口に「本を読まないと思考力が養われない」と主張するため、次のような話の流れを組み立ててみます。

下手な文章の組み立て方例
1.まんが喫茶がどれだけ多いかの具体的な数字の紹介
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2.まんがは想像力を刺激しないという、学説の紹介
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3.近年、若者による場当たり的な事件が多い
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4.ある事件はマンガを模倣して起きた
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5.本を読まないと思考力が育たない

マンガは私も大好きで、悪いものだとは思っていません。とりあえずマンガが例として浮かんだので取り上げました。論理的には破綻は無い話の組み立て方だと思います。しかし、読み手の満足感は得にくいでしょう。理由は単純で、話の内容が、ありきたりすぎるからです。

読み手を満足させるには、意表をつくような話の流れにするのが理想です。ストレートを2球続けて投げたら、次はカーブ。そして最後にもう一度ストレートで三振を打ち取るような展開を作りたいものです。

そのような文章をつくるには、書き出す前にしっかりと話の道筋を作っておくことです。とくに話の最後「結ぶ方」を決めておくと上手な文章になります。

たとえば、「プロ野球」について「視聴率の低迷、海外での日本人選手の活躍、選手の流出をどう防ぐか?」を考察する文章を作るとします。

書き出す文章を考えると、つぎのような思いが頭に浮かんできたとします。

「純粋な野球ファンにとっては、日本のプロ野球も大リーグも大して関係ない。むしろイチローや松井のいる大リーグのほうが、面白いと思っても不思議は無いだろう。大リーグに移籍をしたい選手は、全員行かせてやればいいのだ」

仮にこのような考えが出てきても「日本のプロ野球は滅んでも構わない」と文章にすれば、ただの言いっぱなしになります。この場合、次のような結び方を用意すれば、上手な文章になります。

うまい文章の「結び方」例
「プロ野球は、相撲や歌舞伎と違い、日本の伝統芸能ではない。スポーツは世界が舞台になるのは当たり前のことである。イチローや松井の大活躍を見れば分かるとおり、いまさら日本のプロ野球と大リーグは、違う競技だという理屈は通用しないのだ」

あくまでも一例ですが、このような文章の結び方を考えておくと、あとは一気に文章が書けます。

話の流れが破綻していない文章は、読んでも気持ちのいいものです。


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