論文を書くコツ – 大規模なテーマは日常の話題から入る
論文で地球規模の環境問題やヒトの遺伝子配列について書く必要があるとします。こういった大規模なテーマを文章にする場合、いちばん難しいのは、いかに読み手に実感を伴なわせるかです。
私たちは、自分の家の汚さを見えても、地球の汚れを目に見ることはできません。パソコンの配線のことは理解できても、遺伝子の配列まではとても理解できません。そういうときは、逆手にとって、イメージできない大規模なテーマを日常の身近なテーマと関連付けるといいでしょう。
実感できる些細なテーマから書き始めたあと、実感しがたい大きなテーマをつづけると、自然に自分自身に関係のあるテーマとして惹きこまれます。地球規模の環境問題というテーマなら、温度や空気など感じることができる部分があるので、そこから書いていけば、アプローチしやすいでしょう。ヒトの遺伝子配列についても、なにか実感できるポイントを見つければ、それを切り口に書き始めることができます。
たとえば次のような文章になります。
ヒトの遺伝子配列を身近な出来事と結びつけた文章
春になると花粉症で苦しむ人が多くいます。実は私も重度の花粉症です。花粉症はアレルギーの一種で、個人の体質が関係するので、完治できないといわれています。
しかし、人間の遺伝子構造を解析する研究は現在も進められています。人の遺伝子がすべて解析できれば、個人のアレルギー体質の遺伝子も解析され、花粉症が完治できる時代が近い将来訪れるかもしれません。
春になると花粉症で苦しむ人が多くいます。実は私も重度の花粉症です。花粉症はアレルギーの一種で、個人の体質が関係するので、完治できないといわれています。
しかし、人間の遺伝子構造を解析する研究は現在も進められています。人の遺伝子がすべて解析できれば、個人のアレルギー体質の遺伝子も解析され、花粉症が完治できる時代が近い将来訪れるかもしれません。
大規模なテーマだからといって、いきなり大局的な見地に立って、なれない問題意識を語たる必要はありません。身近で実感しやすいポイントから書き始めると、読み手も書き手も自分の問題の延長として文章を感じることができます。
カテゴリー:読み手を惹きこむ文章の組み立て方