ひとつの段落でたくさん詰め込まない

ひとつの段落でたくさん詰め込まない

文章には、読んで分かりやすいものと分かりにくいものがあります。文法に誤りがなく、筋が通っている文章でも、どうも素直に頭に入ってこない場合、原因のひとつは、段落が長く、言いたいことがたくさん詰め込まれてことが考えられます。

段落は、言いたいことを整理して文章にしたものです。ひとつの事柄を説明するために、いくつかの文章を束にしたものが正しい段落です。間違った段落は、ひとつの段落にいくつもの事柄を説明する文章がいっぱい盛り込まれています。これでは読み手は文章を理解しづらくなります。

ひとつの段落でいくつもの事柄が説明された文章は、書き手の頭の中が整理されていないときに生まれます。例えば次の文章を読んでみてください。

読みにくい文章の例
会社に頼らず生きていこうと考えた末の行動でした。当時世間はITブームで、インターネット上で簡単に自分のお店が持てると、ネットショップが大流行していました。私もそのブームに乗っかって深く考えはせず、ネットショップを開設しました。しかし世の中そんなに甘くはなく、多くの店は途中でほったらかしになったり、消えていきました。私のお店もまったく売り上げのない月が続き、辞めようと思ったことが何度もあったんです。しかし試行錯誤していくうちに、消えていったお店の共通点を発見したのです。共通点は大きく分けて三つあります。第一に・・・

この文章は読みにくいはずです。理由は、ひとつの段落にたいして、内容が多すぎることです。段落は改行や一行空けることで表現できます。改行して読みやすい文章を心がけると次のような文章になります。

読みやすい文章の例
会社に頼らず生きていこうと考えた末の行動でした。
 
当時世間はITブームで、インターネット上で簡単に自分のお店が持てると、ネットショップが大流行していました。私もそのブームに乗っかって深く考えはせず、ネットショップを開設しました。しかし世の中そんなに甘くはなく、多くの店は途中でほったらかしになったり、消えていきました。私のお店もまったく売り上げのない月が続き、辞めようと思ったことが何度もあったんです。
 
しかし試行錯誤していくうちに、消えていったお店の共通点を発見したのです。共通点は大きく分けて三つあります。
 
第一に・・・

段落ひとつに対して言いたいことはひとつにした結果、読みやすくなったはずです。

研究者が専門分野を解説したような本だと、読んでもまったく頭に入ってこないことがあります。こういう文章を分析してみると、まさに段落が長すぎて、たいさん詰め込まれすぎています。分かりやすい文章を書くには、こういった本を反面教師として学ぶのもいいでしょう。


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