否定文は誤解の元。肯定文で書く
「運転中に携帯電話の操作しないでください」といった否定文が携帯電話の説明書には必ず書いてあります。こういった禁止事項の案内に「~してはいけない」という否定文を使うことは致し方ありませんが、一般の文章ではなるべく否定文の使用は避けるほうがいいでしょう。
否定文は誤解の元です。日本語の文章は、文章の終わりまで読んでみないと否定文か肯定文か分かりません。せっかちな人は、文章を最後まで読まずに、否定文を肯定の意味で読んでしまうことがあります。
多くの文章は、肯定文に言い直して表現することができます。
可決されなかった
↓
否決された
↓
否決された
無償修理はできません
↓
有償修理になります
↓
有償修理になります
もう流行っていない
↓
もう廃れている
↓
もう廃れている
どうしても否定文で表現したい場合は、事前に否定文であることを予告しておけば誤解の恐れが減ります。「あいにく」「断じて」「恐れ入りますが」などの言葉を文頭に入れておけば、否定の文章を予想できるので親切です。
あいにく在庫がなかった。
恐れ入りますが、喫煙はできません。
また、特に読みにくい否定文として、二重否定の表現があります。
読みにくい文章の例
君のアイデアがなければ、この発明は成功しなかった。
君のアイデアがなければ、この発明は成功しなかった。
こういった文章は、素直に頭に入ってこない場合もあります。なるべく肯定文で書き直すことが望ましいでしょう。
読みにくい文章の例
君のアイデアのおかげで、この発明は成功した。
君のアイデアのおかげで、この発明は成功した。
肯定文に書き直せば、ほとんどの文章は肯定文より誤解されない文章になります。
カテゴリー:読みやすい文章 書き方のコツ