構文が複雑な文章は、シンプルに書き換える
ひとつの文章が長いと、読み手に分かりにくい印象を与えます。さらに構文が複雑だと、よけい理解するのが難しくなります。そんな場合は、構文をシンプル書き換えると読みやすい文章になります。
書き手が素直に書いた文章は、理論的な誤りや矛盾がなくても、読み手が分かりづらく感じるものもあります。
次の文章を読んでみて下さい。
読みにくい文章の例
外資系の商社に就職が内定し、エネルギー開発の仕事にかかわりたいと考えている兄ですが、実家で小さな民宿を経営していて、そろそろ引退を考えている私の父は、兄がもし卒業できないのなら、商社への就職を断念させ、旅館を継がせる考えです。
外資系の商社に就職が内定し、エネルギー開発の仕事にかかわりたいと考えている兄ですが、実家で小さな民宿を経営していて、そろそろ引退を考えている私の父は、兄がもし卒業できないのなら、商社への就職を断念させ、旅館を継がせる考えです。
簡単に言うと、「商社に就職が決まった兄だが、父は実家を継がせたいと思っている」という内容の文章です。文章の展開に誤りはありません。しかし読み手に伝わりにくい文章です。その理由は、ひとつの文章が長ったらしいのもそうですが、それ以上に、構文が複雑になっているからです。文章全体の主語は、「父」です。ところが、文章の中に「兄」に関する記述が挿入されているため、構文が複雑になり、分かりにくくなっています。
こういった文章の場合は、「父」と「兄」に関する記述をそれぞれ独立させ、構文をシンプルにするといいでしょう。
読みやすい文章の例
兄は外資系の商社に就職が内定し、エネルギー開発の仕事にかかわりたいと考えていますが、卒業できるかわかりません。
もし兄が卒業できないのなら、父は兄に就職を諦めさせて、実家を継がせる考えです。父は小さな旅館を経営していますが、そろそろ引退を考えているからです。
兄は外資系の商社に就職が内定し、エネルギー開発の仕事にかかわりたいと考えていますが、卒業できるかわかりません。
もし兄が卒業できないのなら、父は兄に就職を諦めさせて、実家を継がせる考えです。父は小さな旅館を経営していますが、そろそろ引退を考えているからです。
構文が複雑だと、書き手自身も混乱してきます。読み手はそれ以上に、なにがなんだわからなくなってきますから、できるだけ構文はシンプル書き換えるといいでしょう。
カテゴリー:読みやすい文章 書き方のコツ