断定形の語尾にして、説得力をつける

説得力のある文章は、語尾が断定形になっています。あいまいな言い方よりも、読み手の心にぐっと伝わります。

たとえば次の文章を読んでみてください。

語尾が曖昧な、説得力のない文章
人の尊厳とは、この世に生まれたすべての人間がもつべき権利かもしれない。しかし世界には、そんな尊厳が守られていない人々がたくさん生活しているのではないでしょうか
 
尊厳を守るには、まず相手の気持ちを知る必要があるでしょう。あなたは周りの人々の尊厳を守るため、相手の気持ちを理解する努力をしているでしょうか?

この文章の文末は、すべて「~かもしれない」「~ないでしょうか」「~あるでしょう」という書き手の憶測で書かれています。語尾が断定形でないため、説得力がありません。べつにすべての語尾が断定形の文章が良いわけではありませんが、読み手に伝えたいことくらいは、断定形にしたほうが納得できます。

先ほどの文章の語尾を断定形に直すと次のようになります。

語尾が断定形の、説得力がある文章
今人の尊厳とは、この世に生まれたすべての人間がもつべき権利である。しかし世界には、そんな尊厳が守られていない人々もたくさん生活しています
 
尊厳を守るには、まず相手の気持ちを知る必要があります。あなたは周りの人々の尊厳を守るため、相手の気持ちを理解する努力をしているでしょうか?

一番最後の「~しているでしょうか?」以外ははすべて断定形にしました。断定形にすると、読み手からの反論も予想されます。しかし、反論を恐れて、あいまいな言い方ばかりの文章だと、読み手は納得できないし、文章に価値も感じることもできません。

今回例に挙げた文章以外でも「~と思う」「~と思われる」などの言い方もよく目にします。書き手が自分の文章に自信をもてないと、あいまいな文末になりがちです。本当に伝えたいことは何なのか、書き手自身がそれを理解し、伝えたいことは断定できる勇気を持つことが説得力のある文章を書くコツです。


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