「言うまでもない」「周知のとおり」は使わない
「言うまでもない」「周知のとおり」という言葉を使うと、なんとなくかっこよく感じるかもしれません。ただそれは、書き手の自己満足で、なるべく使わないほうがいいでしょう。
読み手の中には「言うまでもない」「周知のとおり」を使った文章を読むと、書き手に見くびられた気持ちを受ける場合もあります。理由は、これらの言葉が「こんなことは常識だけど、もしかしたらあなたが知らないかもしれないので一応伝えておきます」という意味に解釈できるからです。
現に、学者が専門分野を論じた文章を読むと、「言うまでもなく~」「周知のとおりだが~」の後に続く文章は、一般常識とはほど遠い内容が書かれている場合が多くあります。
「言うまでもなく~」を使った、下手な文章の書き方
言うまでもなく、強酸の中でヘリコバクター・ピロリ菌が生息できるのは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を生成しているためです。
言うまでもなく、強酸の中でヘリコバクター・ピロリ菌が生息できるのは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を生成しているためです。
このように一般教養のレベルとはかけ離れた話題を「言うまでもなく~」と続けられては、読み手はばかにされている気持ちになり、腹立たしくなります。内容を伝えたいだけなら、「言うまでもなく」は付ける必要はないのです。
「言うまでもなく~」を省いても、伝わることは一緒
強酸の中でヘリコバクター・ピロリ菌が生息できるのは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を生成しているためです。
強酸の中でヘリコバクター・ピロリ菌が生息できるのは、ウレアーゼと呼ばれる酵素を生成しているためです。
本当に「言うまでもない」「周知のとおり」の事柄であれば、書く必要すらありません。
「周知のとおり~」を使った、下手な文章の書き方
周知のとおり、青信号は渡れなので、私は向こう岸に渡った。
周知のとおり、青信号は渡れなので、私は向こう岸に渡った。
例文が少し大雑把に感じるかもしれませんが、こんな当たり前のことは、わざわざ文章にする必要がありません。「言うまでもない」「周知のとおり」のことなら削除したほうが、伝えたいことだけ伝わります。
「周知のとおり~」を省いても、伝わることは一緒
私は向こう岸に渡った。
私は向こう岸に渡った。
文章を強調するための言い方としては有効ですが、本当に必要ではないところでは使用を控えたり、「無論」「もちろん」と言い換えるだけでも、読み手に伝わる印象が違ってきます。
カテゴリー:上手な文章を書くための改善ポイント