「~へ行く」と「~に行く」。助詞の微妙な違いを知る

「~へ行く」と「~に行く」。助詞の微妙な違いを知る

「~へ行く」と「~に行く」は、同じ意味のような気がしますが、微妙に違います。助詞の使い分けかたについてです。

次の2つの文章にどのような違いを感じるでしょうか?

助詞「へ」「に」は微妙に違う
1.病院行く
2.病院行く

基本的には、「~に」は目標を示し、「~へ」はたんなる方向を示す助詞とされています。微妙な違いですが、「病院に行く」は病気などの理由で病院へ行くという意味になり、「病院へ行く」は病院の建物内に入るという意味になります。

もうひとつ例を挙げます。

助詞「に」「と」は微妙に違う
1.社員なる
2.社員なる

「水平線のかなたから太陽が昇り、朝なった」は普通の文章ですが、「朝なった」だと少し違和感を感じます。「~になった」は自然にその状態になったときに使います。そうすると、「社員になる」はたいした苦労もせずに、朝になるのが当たり前のように社員になったという意味にとれます。一方「社員となる」には、苦労や努力の結果、社員のポジションを掴み取ったような能動的な言葉になります。

どちらで書いても大きな間違いではありませんが、読み手に伝わる微妙な違いを意識して助詞を使い分けるのも、上手な文章を書くコツです。


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