倒置法による印象の変化と注意点
倒置法とは、文章中の言葉を文法的に逆の語順にすることです。倒置法をすることで、逆さにした文章を強調させることができます。
倒置法の例です。
倒置法の例1
あなたは今日どこへ行くの?
↓
今日どこへ行くの?あなたは。
あなたは今日どこへ行くの?
↓
今日どこへ行くの?あなたは。
倒置法の例2
早く準備しろよ。
↓
準備しろよ、早く。
早く準備しろよ。
↓
準備しろよ、早く。
もうひとつ例を挙げて、倒置法による印象の変化について解説します。
倒置法で、どう印象が変化するか?
彼女の手料理を、ぜひ食べてみたい。
↓
ぜひ食べてみたい、彼女の手料理を。
彼女の手料理を、ぜひ食べてみたい。
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ぜひ食べてみたい、彼女の手料理を。
倒置法にしたことで「彼女の手料理」が強調されます。逆さにして文末にきた言葉に、読み手は強い印象を受けるので、使い方次第で、巧みな文章表現にすることが可能です。
注意点もあります。次の文章をどうぞ。
倒置法の注意点 – まずは普通の文章
私は事件現場に急行した。そこには既に、祭りを見物するかのように野次馬が人だかりを作っていた。
私は事件現場に急行した。そこには既に、祭りを見物するかのように野次馬が人だかりを作っていた。
この文章を倒置法にすると、どう印象が変わるでしょうか?
倒置法の注意点 – 倒置した文章
私は事件現場に急行した。そこには既に、野次馬が人だかりを作っていた。まるで、祭りを見物するかのように。
私は事件現場に急行した。そこには既に、野次馬が人だかりを作っていた。まるで、祭りを見物するかのように。
倒置法にした文章だと、「人だかりを作る野次馬」が強調されます。この文章に続きを書くなら、事件現場でなく、野次馬を話題の中心にする必要があります。倒置法は確かに面白い表現で、読み手の受ける印象も違ってきますが、その効果も十分理解して使う必要があります。
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