広い意味を持つ動詞は言い換える
英語には「get」や「take」のように多くの意味をもつ動詞が多くありますが、これは日本語でも同じです。うまい文章を書くには、文脈に合わせて、より具体的な言葉に言い換えると読みやすくなります。
たとえば、「やる」。この言葉は英語の「do」以上に多くの意味をもつ日本語です。「○○する」のほか、「物を贈る」「派遣する」「犯罪を犯す」などの意味があります。
「使う」や「見る」も一見すると、限定的な意味しか持たない言葉ですが、実際には多くの意味で使われています。
たとえば「使う」。「機械を使う」と書くと、「機械を作動させる」「機械を利用して何かをする」「機械を操作する」のように多くの意味をなします。「人を使う」と書くと、「人を雇う」「人に指図する」のように複数の解釈が可能です。解釈できる数が多いと、それだけ読み手に誤解を与える危険が多くなるのです。
読み手に誤解を与えないためには、広い意味をもつ動詞は、できるだけ他の言葉に言い換えるといいでしょう。使いたい意味にあわせて、「使う」ならば、「作動させる」「操る」「雇う」といった言葉を選びます。
「見る」も同様です。たとえば「テレビを見る」という文章でも、「テレビの見方」にはいろいろあります。「ボーッと見る」「真剣に見入る」「ただつけておくだけ」など。
「テレビを見る」ときの違いを読み手に伝えたいなら、「見る」を使わずに「テレビを眺める」「テレビをじっくりと見る」「テレビをつけっぱなしにする」など具板的に表現するといいでしょう。同じ動詞を繰り返し使うことも避けられ、読み手の読みやすい文章にもなります。
カテゴリー:言いたいことが伝わる文章の基本ルール