接続詞「しかし」は必要なときだけ使う

接続詞「しかし」は必要なときだけ使う

うまい文章は接続詞を多用しません。しかし、接続詞をすべてなくすと読みにくい文章になることもあります。接続詞は、その文脈を見極めて、使うか使わないか判断しましょう。

接続詞「しかし」は逆接の文章をつなげるときに使用します。道路標識にたとえると、直線道路に突然現れた、「Uターンせよ」の標識のようなものです。うまく使えば、読み手に大きなインパクトを与えて印象に残すことができますが、使い方が間違っていると、読み手は戸惑ってしまいます。

下手な文章の書き方例
やれることはすべてやった。この1年間、寝る間も惜しんで勉強した成果をすべて出し切った。手ごたえはあった。時間にも余裕があり、回答を見直す時間もあった。自己採点では、合格間違いなし。後は結果を待つだけだ。合格発表の次の日は卒業旅行も控えている。笑ってみんなと旅行がしたい。合格発表に私の名前はなかった。

この文章がしっくり来ないのは、最後の一文に接続詞「しかし」がないからです。合格への自信に反して、不合格の結果になってしまっているのに、「しかし」がないため、読み手は肩透かしをくらった感じになります。最後の一文は、「しかし合格発表に私の名前はなかった」としたほうが、わかりやすく印象的な文章になります。

反対に、接続詞「しかし」が不要な文章もあります。

下手な文章の書き方例
昨日は一睡もできなかった。しかし頭は冴えてるようだ。いいアイデアが出る。しかし会議で寝てしまった。

極端な例文になってしまいましたが、これだけの短文に二回も「しかし」を使うのはかっこ悪いです。内容的には、逆接をつないでいる文章で間違いではないですが、印象としては、幼稚な文章に思えてきます。

次の文章にするとどうでしょうか。

うまい文章の書き方例
昨日は一睡もできなかったが、頭は冴えているようだ。いいアイデアが出る。しかし会議で寝てしまった。

うまい文章の書き方例
昨日は一睡もできなかった。頭は冴えているようで、いいアイデアが出るが、会議で寝てしまった。

「しかし」でつなぐ文章はひとつにして、もうひとつの逆接は「~が」でつなぐました。最初の例文にあった幼稚さがなく、読みやすくなりました。

接続詞はむやみやたらに使うものではありません。うまい文章を書ける人は、使う使わないの判断が的確です。ぜひ、話の前後関係を把握し、上手に判断してみてください。


同じカテゴリーの記事