不用意に主語を省かない
文章は、主語と述語でワンセットです。不用意に主語を省くとおかしな文章になってしまうケースがあります。
たとえばこんな文章です。
下手な文章の書き方例
今週末、学校で行われた吹奏楽部の全国大会の予選を見に行った。生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、見事な演奏を聴かせてくれた。
今週末、学校で行われた吹奏楽部の全国大会の予選を見に行った。生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、見事な演奏を聴かせてくれた。
明示されていませんが、最初の文章「今週末~」の主語は書き手、つまり「私」です。
さて、二つ目の文章「生演奏を~」の主語はなんでしょうか?「生演奏を耳にする」といっているので、当然主語は「私」かと思いきや、最後は「聴かせてくれた」で締めくくっている。
しかし「私は聴かせてくれた」ではおかしな文章になります。聴かせてくれたのは、吹奏楽部なので、正しい文章は、
うまい文章の書き方例
生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、吹奏楽部は見事な演奏を聴かせてくれた。
生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、吹奏楽部は見事な演奏を聴かせてくれた。
と主語「吹奏楽部」を明示するべきです。
もしくは、「私」を主語にしたいなら、
うまい文章の書き方例
生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、見事な演奏だった。
生演奏を耳にするのは久しぶりだったが、見事な演奏だった。
と書き手の感想で文章を締めくくるといいでしょう。
主語がきちんと明示されているほうが文章はわかりやすいし、省略するなら、主語がわかりやすい述語を使うべきです。
カテゴリー:言いたいことが伝わる文章の基本ルール