漢字とひらがなは上手に使い分ける
「時」と「とき」。
「物」と「もの」など。
文章を書いていると使いたい言葉を漢字で書くべきはひらがなで書くべきか迷うときがあります。文章の書き方がうまい人は、意味によって漢字と仮名を使い分けます。
たとえば、「時」と「とき」。
「時には手を抜くことも必要だ」「イチローが満塁ホームランを打ったその時」など、特定の時期や時点を示すときは漢字の「時」を使うといいでしょう。
一方、「余裕がないとき」「階段を上ったとき」のように、状況や仮定、条件を示すときは、ひらがなで書いたほうが直感的にわかりやすくなります。
「物」の場合も、いつも漢字の「もの」では読み手に違和感を与えてしまうことがあります。
「物を投げる」「物を選ぶ」といったときは、漢字の「物」がふさわしいですが、「ものわかりがいい」「ものにする」のようにひらがなにしたほうがしっくりきます。使い分け方としては、漢字の「もの」は具体的な物や品を表すとき、ひらがなの「もの」は抽象的なものを表すときに使うといいでしょう。
「前」と「まえ」では、「バス停前」「駅前」など具体的な位置を示すときは、漢字の「前」。「すこしまえ」「スポーツのまえ」のような時間を示すときはひらがなの「まえ」をつかうとわかりやすくなります。
「方」と「ほう」も読み手に誤解されやすい言葉です。たとえば、「市役所の方」とあった場合、「市役所の方角」なのか「市役所に勤めている人」を指しているのかは、前後の文章を読まないとわからない。この場合は、方角を表す場合は、ひらがなの「ほう」を、人を表す場合は、漢字の「方」を使うのがいいでしょう。
漢字とひらがな、どちらを使っても間違いではないが、頭のいい人は、読み手のことを考えて上手に使い分けをしています。
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