(重複表現)同じ意味のことばを繰り返し使わない

(重複表現)同じ意味のことばを繰り返し使わない

同じ意味の語を重ねた言葉を重複表現といいます。重複表現は、読み手はうっとうしい印象を受けます。文章を書くとき、わかりやすい言葉を選んで書こうとすると、案外やってしまいがちなことです。

例えば次の文章です。

下手な文章の書き方例
一番最後の騎手が、馬から落馬する。

まず「一番最後」という言葉が重複表現です。最後は一番後ろの意味なので「一番」という言葉が不要です。次に「馬から落馬」。「落馬」が馬から落ちる意味なので「馬から」は必要ありません。

うまい文章の書き方例
最後の騎手が落馬する。

これで意味は十分通じます。

次の文章も同じです。

下手な文章の書き方例
元旦の朝に、今年の目標をはっきりと断言する 。

「元旦の朝」が重複表現にあたります。「元旦」が元日の朝という意味です。「朝」がいりません。次に「はっきりと断言する」も重複表現です。「断言する」ははっきりと言い切ることです。よって「はっきりと」は除いたほうがすっきりした文章になります。

うまい文章の書き方例
元旦に、今年の目標を断言する。

他にも「日本に来日する」「過半数を超える」などつい使ってしまう重複表現はたくさんあります。「来日」は日本に来ることだから「日本」は不要、「過半数」は半数を超えることだから「過半数を得る」でいいでしょう。
 
 そのほかよく使われる重複表現
・ダントツの1位(「ダントツ」は「断然トップ」の略)
・被害を被る(「被害」自体が損害や危害を被ること)
・不快感を感じる(「・・感」と「感じる」が重複)
・思いがけないハプニング(「ハプニング」が「思いがけなく起こる」を意味する)
・返事を返す(返事自体が呼びかけに対して言葉を返すこと)
・挙式を挙げる(「挙式」自体が式を挙げること)
・炎天下の下(「炎天下」自体が夏の暑い空の下の意味)


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